インストール入門

更新年月日 - 2003 年 10 月 19 日

著者

Tomoaki Nishiguchi <admin@tomoakisoft.com>

環境

Slackware Linux 9.1

目次

  1. 目的
  2. 予備知識
  3. 入手
  4. 起動
  5. キーボードマップ選択
  6. ログイン
  7. パーティション作成
  8. セットアッププログラム起動
  9. インストール先パーティション設定
  10. ソースメディア選択
  11. パッケージシリーズ選択
  12. プロンプトモード選択
  13. パッケージ選択
  14. カーネルインストール
  15. ブートディスク作成
  16. モデム設定
  17. LILO インストール
  18. スクリーンフォント設定
  19. ハードウェア時計設定
  20. タイムゾーン設定
  21. root パスワード設定
  22. セットアップ完了

目的

この文章では、Slackware Linux をパーソナルコンピュータにインストールする手順を説明します。

Slackware Linux に限らず、Linux をパーソナルコンピュータにインストールすることは難しい作業であるといえます。ハードウェアの知識、ソフトウェアの知識、英語の知識を要求されるからです。また、この文章のみでそれらを網羅することは不可能です。

そこで、典型的なインストール手順を紹介する事にします。そして、さまざまな参考文献を紹介します。これらを、最大限に利用することができれば、インストールという壁を乗り越えることができるようになると信じています。


予備知識

Slackware Linux インストールの第一段階は予備知識を得ることです。一見、回り道のように思えますが、実際にはこれが最短コースです。

Linux についての概要を知ります。

ハードウェアの対応状況を調べます。

UNIX 基本操作の雰囲気を見ます。

パーティションに関する知識を得ます。

いくつかの基礎知識を確認します。

一般的なインストール方法を確認します。

公式マニュアル

英語力に自信がある方は、以下の情報も確認します。

参考文献


入手

Slackware Linux 9.1 の インストール CD-ROM を入手します。

公式 Slackware Linux CD セットは Slackware Store で購入することが可能です。日本国内では、ぷらっとオンラインで購入することが可能です。

雑誌の付録 CD-ROM に収録されることもあります。

インターネットからダウンロードすることも可能です。ISO イメージが公開されているので、これを CD-R メディアに書き込みます。


起動

Slackware Linux 9.1 のインストールを開始します。例として、メモリ 16 MB、ハードディスク 512 MB のパーソナルコンピュータにインストールします。

BIOS の設定を変更し、CD-ROM から起動します。

画面 1 が表示されれば成功です。

画面 1 起動時
画面 1 起動時

ここでは、単に [ENTER] を押します。カーネルが展開され、実行されます。


キーボードマップ選択

キーボードマップの変更を問われます。

画面 2 キーボードマップ変更
画面 2 キーボードマップ変更

日本語キーボードを使用しているので 1 と入力し、[ENTER] を押します。

画面 3 キーボードマップ選択
画面 3 キーボードマップ選択

日本語キーボードを示す qwerty/jp106.map を選択し、[ENTER] を押します。

画面 4 キーボードマップ確認
画面 4 キーボードマップ確認

1 と入力し、[ENTER] を押しキーボードマップの変更を受け入れます。


ログイン

ログイン画面が現れます。

画面 5 ログイン
画面 5 ログイン

root と入力し、[ENTER] を押しログインします。


パーティション作成

ログインが成功し、コマンドプロンプトが表示されます。

画面 6 コマンドプロンプト
画面 6 コマンドプロンプト

fdisk または、cfdisk を起動し、パーティションを作成します。パーティションの作成方法については Linux パーティション HOWTO を参照してください。

fdisk を起動するコマンド例は、以下の通りです。

bash# fdisk /dev/hda

プライマリパーティション(基本パーティション)を 1 個だけ作成します。パーティションタイプは Linux(83) とします。サイズは 512 MB とします。スワップパーティションは作成しません。

参考文献


セットアッププログラム起動

パーティション作成後、セットアッププログラムを起動します。

画面 7 セットアッププログラム起動
画面 7 セットアッププログラム起動

setup と入力して、[ENTER] を押し、セットアッププログラムを起動します。


インストール先パーティション設定

インストール先パーティションを設定します。

画面 8 インストール先パーティション設定
画面 8 インストール先パーティション設定

TARGET を選択し、[ENTER] を押します。

画面 9 インストール先パーティション選択
画面 9 インストール先パーティション選択

/dev/hda1 が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 10 フォーマット
画面 10 フォーマット

/dev/hda1 をフォーマットします。Format が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 11 ファイルシステム選択
画面 11 ファイルシステム選択

ファイルシステムを選択します。標準的なファイルシステム ext2 を選択し、[ENTER] を押します。

画面 12 inode 密度選択
画面 12 inode 密度選択

inode 密度を選択します。4096 が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 13 フォーマット中
画面 13 フォーマット中

フォーマット中です。

画面 14 フォーマット終了
画面 14 フォーマット終了

フォーマットの終了です。ここでは、単に [ENTER] を押します。


ソースメディア選択

ソースメディアを選択します。

画面 15 ソースメディア選択
画面 15 ソースメディア選択

CD-ROM からインストールします。1 が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 16 CD-ROM ドライブ検出
画面 16 CD-ROM ドライブ検出

CD-ROM ドライブを調べます。auto が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 17 CD-ROM ドライブ検出中
画面 17 CD-ROM ドライブ検出中

CD-ROM ドライブを検出中です。

画面 18 CD-ROM ドライブ検出成功
画面 18 CD-ROM ドライブ検出成功

CD-ROM ドライブの検出成功です。


パッケージシリーズ選択

インストールするパッケージシリーズを選択します。

画面 19 パッケージシリーズ選択
画面 19 パッケージシリーズ選択

A シリーズ以外はインストールしません。スペースキーを使いチェックを外します。KDEI シリーズより下にもパッケージがあります。矢印キーを使いスクロールさせます。A シリーズは基本システムです。それ以外は、必要な時にインストールします。選択後、[ENTER] を押します。


プロンプトモード選択

プロンプトモードを選択します。

画面 20 プロンプトモード選択
画面 20 プロンプトモード選択

expert を選択し、[ENTER] を押します。これは、最も細かい設定ができるモードです。

画面 21 プロンプトモード表示
画面 21 プロンプトモード表示

expert が選択されました。


パッケージ選択

A シリーズからインストールするパッケージを選択します。

画面 22 パッケージ選択
画面 22 パッケージ選択

選択するパッケージは、表 1 の通りです。合計 29 パッケージです。

表 1 基本 Linux パッケージ
パッケージ名概要
kernel-ideLinux 2.4.22 カーネル(SCSI サポートなし)
aaa_base基本 Linux ファイルシステム
bashGNU bash シェル
binさまざまなシステムユーティリティ
coreutilsGNU 基本コマンドラインプログラム
cxxlibsC++ 共有ライブラリ
dcronCron デーモン
devsシステムデバイスファイル
e2fsprogsext2 / ext3 ファイルシステムのためのユーティリティ
elflibsさまざまな ELF 共有ライブラリ
elvisテキスト・エディタ elvis(vi クローン)
etcシステム設定ファイル
findutilsGNU ファイル検索ユーティリティ
glibc-solibsGNU C 共有ライブラリ
glibc-zoneinfoタイムゾーン設定データベース
grep検索ツール GNU grep
gzip圧縮ユーティリティ GNU zip
kbdキーボードマップとコンソールフォント
kernel-modulesLinux 2.4.22 モジュール
lessテキストページャ
liloLinux、DOS、OS/2 などのためのブートローダ
module-init-toolsカーネルモジュールユーティリティ
pkgtoolsSlackware パッケージ管理システム
procpsプロセス情報表示のためのユーティリティ
sedGNU ストリームエディタ
shadowシャドウパスワードセット
sysvinitSystem V のような初期化プログラム
tarGNU tar アーカイブユーティリティ
util-linux多くの必須ユーティリティ

表 1 のパッケージをすべて選択した後、[ENTER] を押します。

画面 23 A シリーズのインストール開始
画面 23 A シリーズのインストール開始

A シリーズのインストールを開始します。

画面 24 パッケージインストール中
画面 24 パッケージインストール中

選択した合計 29 パッケージが、次々とインストールされます。

画面 25 パッケージインストール完了
画面 25 パッケージインストール完了

パッケージのインストールが完了しました。


カーネルインストール

カーネルのインストールについて問われます。

画面 26 カーネルインストール
画面 26 カーネルインストール

すでに、A シリーズのカーネルパッケージをインストール済みです。ここでは skip を選択し、[ENTER] を押します。


ブートディスク作成

ブートディスクの作成について問われます。

画面 27 ブートディスク作成
画面 27 ブートディスク作成

ブートディスクは必要ではありません。Skip を選択し、[ENTER] を押します。


モデム設定

モデムの設定をします。

画面 28 モデム設定
画面 28 モデム設定

モデムの設定は行いません。no modem が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。


LILO インストール

LILO をインストールします。

画面 29 LILO インストール
画面 29 LILO インストール

expert を選択し、[ENTER] を押します。これは、最も細かい設定ができる選択肢です。

画面 30 エキスパート LILO インストール
画面 30 エキスパート LILO インストール

設定を開始します。Begin が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 31 LILO オプション
画面 31 LILO オプション

特に設定する必要はありません。ここでは、単に [ENTER] を押します。

画面 32 フレームバッファコンソール
画面 32 フレームバッファコンソール

フレームバッファコンソールは使いません。standard を選択し、[ENTER] を押します。

画面 33 LILO インストール先
画面 33 LILO インストール先

マスターブートレコードにインストールします。MBR を選択し、[ENTER] を押します。

画面 34 LILO インストール先確認
画面 34 LILO インストール先確認

LILO のインストール先を確認します。/dev/hda と入力されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 35 待機時間選択
画面 35 待機時間選択

カーネルを実行するまでの待ち時間を選択します。特に待つ必要はありません。None が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。

画面 36 エキスパート LILO インストール
画面 36 エキスパート LILO インストール

Linux パーティションを LILO 設定ファイルに追加します。Linux を選択し、[ENTER] を押します。

画面 37 Linux パーティション選択
画面 37 Linux パーティション選択

Linux パーティションを選択します。/dev/hda1 と入力し、[ENTER] を押します。

画面 38 パーティション名設定
画面 38 パーティション名設定

Linux パーティションに名前を付けます。特にこだわりがなければ、linux と入力し。[ENTER] を押します。

画面 39 エキスパート LILO インストール
画面 39 エキスパート LILO インストール

LILO をインストールします。Install を選択し、[ENTER] を押します。

画面 40 LILO インストール中
画面 40 LILO インストール中

LILO をインストール中です。


スクリーンフォント設定

スクリーンフォントの設定について問われます。

画面 41 スクリーンフォント設定
画面 41 スクリーンフォント設定

スクリーンフォントの設定は行いません。No が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。


ハードウェア時計設定

ハードウェア時計の設定状態を問われます。

画面 42 ハードウェア時計設定
画面 42 ハードウェア時計設定

NO が選択されていることを確認し、[ENTER] を押します。もし、ハードウェア時計を UTC に設定しているのであれば、YES を選択してください。


タイムゾーン設定

タイムゾーンの設定をします。

画面 43 タイムゾーン設定
画面 43 タイムゾーン設定

Japan を選択し、[ENTER] を押します。


root パスワード設定

root のパスワードを設定します。

画面 44 root パスワード設定
画面 44 root パスワード設定

ここでは root のパスワードを設定しません。No を選択し、[ENTER] を押します。


セットアップ完了

セットアップ完了です。

画面 45 セットアップ完了
画面 45 セットアップ完了

ここでは、単に [ENTER] を押します。

画面 46 セットアッププログラム終了
画面 46 セットアッププログラム終了

セットアッププログラムを終了します。EXIT を選択し、[ENTER] を押します。

画面 47 再起動
画面 47 再起動

再起動します。CD-ROM を取り出し、[CTRL] + [ALT] + [DEL] を押します。


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